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48 安騎の野の狩り 柿本人麻呂 [万葉集]

 東の 野に炎の 立つ見えて かへり見すれば 月傾きぬ (48)


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表面上は、東から曙、西に沈む月を歌う情景歌だった。
が、深い歌だった。
持統天皇の行幸で、亡くなった草壁皇子が狩りをしていた奈良の秋騎の野に寄る。
後の文武天皇となる軽皇子にとっても父を偲ぶ場所であり、人麻呂は、
昇る太陽を軽皇子とし、沈む月を草壁にたとえた、広さ深さのある見事な歌だった。


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短歌の教科書



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