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杉浦羔二郎 [幕末]


 世のうさを かこつ涙の ます鏡 あかき心に くもりなければ


 うき節を 語りてけふも 呉竹の 葉かへぬ色は 誰か知るらむ 



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 水戸藩初代からの重臣の家系で執政で調整しようとしていたようだ。
が、天狗を鎮めることはできない、最後は諸生党に投獄されたという。
獄中歌という。二首共に無念が伝わってきますね。
病死となっているが、酷い環境だったのでしょう。

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杉浦羔二郎幕末維新 史跡観光

127 杉浦政安羔二郎(こうじろう)の書簡 水戸は天下の魁




p260
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春夜笛を聞く <李白> [漢詩]

  

誰が家の玉笛か 暗に声を飛ばす
散じて春風に入りて 洛城に満つ
此の夜曲中 折柳を聞く
何人か起こさざらん 故園の情を


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 25頃に四川省の故郷を出て42で長安にて玄宗皇帝に認められるが、2年で追放されたという。その彼の31の頃の詩だという。
見送る際に歌う「折柳」が流れてきて、故郷を思い出す。
自分だけでなく誰もが思い出し、この詩にも感じ入るのでしょう。

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漢詩紹介 公益社団法人 関西吟詩文化協会






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青柳蔀 [幕末]

 
書き遺る 我手ながらも なつかしや 恋しき人の 見ると思へば


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 対馬藩の幕末史も悲惨だったようだ。甥が藩主となった勝井が力を握り尊攘派を弾圧。それに対して青柳が憤激するも敗れ自刃となったという。母に辞世を送る。
「恋しき人」が母だが、言外で親不孝を詫びていたのでしょう。

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辞世詠632 青柳蔀

幕末対馬を一時手中に収めた 勝井 五八郎



p254
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347 酒を讃める歌 大伴旅人 [万葉集]


 世の中の 遊びの道に たのしきは 酔ひ泣きするに あるべかるらし (347)

 この世にし 楽しくあらば 来む世には 虫に鳥にも われはなりなむ (348)

 生まるれば 遂にも死ぬる ものにあれば この世なる間は 楽しくをあらな (349)

 もだ居りて 賢しらするは 酒飲みて 酔ひ泣きするに なほしかずけり (350)



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旅人は60過ぎて大宰府へ行くことになり、直後に妻が亡くなったという。
それが酒の歌になったようだが、元々酒好きで口も悪かったのでしょう。
飛鳥時代、奈良時代を生きた人だが、348番歌は、酒を禁止する五戒を破って畜生道でもかまわないとする。中国の老荘の影響の方が強いようだ。

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讃岐屋一蔵の古典翻訳ブログ 345-





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清岡治之助 [幕末]


 砕けては あたし光も ととめまし 蓮に宿る 露の白玉


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土佐勤王党の弾圧で、武市半平太の釈放を求める嘆願書を出したようだ。
が、同族の清岡道之助と共に野根山に同志を集めたが、追われる身となり処刑。
道之助の弟が貴族院議員だったようだ。


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安田町まちなみ交流館・和


大河ドラマ+時代劇 登場人物配役事典



p256
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世にふるも さらに宗祇の やどりかな [芭蕉]

 よにふるも さらにそうぎの やどりかな


天和2年(1682) 39歳


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 「ふる」は「降る」「経る」の掛詞で、宗祇が時雨版で詠んだのを、
一語置換しただけだった。
宗祇が、時雨の一夜の雨宿り人生無常観を詠んだが、
芭蕉が、二条院讃岐も念頭に置き、尊敬する宗祇のやどりだと重ねてきた。
解説では見事な換骨奪胎で俳諧の極意と絶賛する。

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名歌鑑賞 心に残る名言、和歌・俳句鑑賞


笠の記 山梨県立大学 芭蕉db









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水野主馬 [幕末]


 秋風に 身はもみぢ葉と 散りぬとも 赤きこころは 千代になかさん


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「赤きこころ」は19世紀までは「忠誠心」と良い意味で使われていたようだ。

主家は1万8000石帝鑑の間、譜代大名水野家だが幕末の地殻変動は、
結城藩家老の養嗣子を捨てさせ天狗に参加。民家を放火しながら逃げたという。
25で捕まって自刃。

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天狗の筑波下山 常総市/デジタルミュージアム

水野主馬 コトバンク



p254
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建徳江に宿す <孟浩然> [漢詩]

  

舟を移して煙渚(えんしょ)に泊(と)まれば
日暮れて 客愁(かくしゅう)新たなり
野は曠(ひろ)く 天は樹(き)に低(た)たれ
江(こう)は清く 月は人に近し


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孟浩然の代表作だという。「春眠・・」しか知らない。
建徳江が川霧で知られ「煙渚」で表している風景が思い浮かぶ。
百人一首64番の「朝ぼらけ・・・網代木」の宇治川の歌も、
「川霧」を歌っており、印象に残っていた。
少しづつ繋がってきました。

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漢詩の朗読 左大臣光永






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真木和泉 [幕末]

 大山の 峯の岩根に うづみけり わが年月の やまとだましひ


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彼を追いかけることで、1840年代のイメージがようやくできてきた気がします。
何度でも立ち上がる不屈の精神の持ち主。久留米の神官だったが、長州の禁門の変に諸隊総督になって参加したという。敗れて天王山で自決。

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真木和泉守五絶 京都大学貴重資料デジタルアーカイブ

「大山の」 和歌(真木和泉辞世)



p254
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344 酒を讃める歌 大伴旅人 [万葉集]


 あな醜 賢しらをすと 酒飲まぬ 人をよく見ば 猿にかも似む (344)

 値無き 宝といふも 一坏の 濁れる酒に あにまさめやも   (345)

 夜光る 玉といふとも 酒飲みて 心を遣るに あにしかめやも  (346)


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酒を飲まない人を猿と呼び、一杯の酒より価値があるものは無いといっている。
親しい人ならウケるのでしょうが、暴言と言う人もいるでしょう。
大宰府長官であるということは、有能かつ長生きしたということでしょうが、
酒と口で飛ばされたのやもしれません。

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讃岐屋一蔵の古典翻訳ブログ -344

讃岐屋一蔵の古典翻訳ブログ 345-





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