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西郷17回忌にて 勝海舟 [西郷漢詩]

白髪塵顔到無意
壮心横剣不求勲
百千窮鬼吾甚畏
難脱人間狐狸群

白髪塵顔となるも意とすること無きに至る、
壮心あり剣を横たうるも勲を求めず。
百千の窮鬼を吾甚畏る。
脱し難し人間狐狸の群。


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勝は征韓論に反対し、西南戦争が起こると西郷に同情し、戦後は西郷の名誉回復に努めたようだ。
西南戦争の切欠となった私学校生徒による武器庫襲撃。
元々薩摩の物だったのでしょうが、薩長土で御親兵を作り廃藩置県となり一部政府に移管したのやもしれません。それを政府が運びだすのに生徒が激怒し襲撃する。
西郷はする気のなかった戦争となり、そろそろ死のうと御輿に徹したのでしょう。

そういう事情を酌んだ上で、西郷が3句で「畏れない」ないとしたのを勝は「畏る」とし、西郷を立てた表現とし、4句で、西郷は脱出したが、私はまだ世俗の狐や狸の群れいるとした。
悲しみ沈む段階を過ぎている17回忌でもあるので、5歳上の勝が70となるが49で死んだ西郷の境地に至らず長生きしていますとの自嘲ユーモアを披露。
遺族も(狐や狸のような)政治家も笑いを堪えたのやもしれません。

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2024 国指定 西南戦争遺跡




p32





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