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1 巻頭歌 雄略天皇作長歌 [万葉集]

籠(こ)もよ み籠(こ)持ち 掘串(ふくし)もよ み掘串(ふくし)持ち この岳(をか)に 菜(な)摘(つ)ます児(こ) 家(いへ)告(の)らせ 名告らさね そらみつ 大和の国は おしなべて われこそ居(を)れ しきなべて われこそ座(いま)せ われこそは 告らめ 家をも名をも 


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万葉集は7世紀後半から8世紀後半に編纂されたという。
雄略天皇は万葉の時代から200年前の天皇なので、実作ではなく伝承された歌謡と考えられるという。

解説は目を通しましたが、原文は難しいですね。
4500首あり巻頭の歌に相応しい素朴な長歌だという。

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万葉集 最初の巻頭歌  短歌のこと 光のことば、言葉の光



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西郷隆盛 [明治・大正]

 ふたつなき 道にこの身を 捨小船

  波たたばとて 風吹かばとて


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 1858年、安政の大獄が始まり、月照と入水する前に書かれたのが辞世として残っているという。明治10年西南戦争の19年前のことだった。

私なりの西郷理解はありますが、あまりに規格外のことであり語るに難しいですね。
下の3冊は、表のドラマや歴史解説で語られる通常の枠を超えて思考を拡げてくれました。

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西郷隆盛と聖書 「敬天愛人」の真実 (いのちのことば社) (聖書を読んだサムライたち)

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  • 作者: 守部 喜雅
  • 出版社/メーカー: いのちのことば社
  • 発売日: 2017/12/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



未完の西郷隆盛: 日本人はなぜ論じ続けるのか (新潮選書)

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  • 作者: 先崎 彰容
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/12/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



南海物語 西郷家の愛と哀しみの系譜

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  • 作者: 加藤 和子
  • 出版社/メーカー: 郁朋社
  • 発売日: 2007/08/23
  • メディア: 単行本






p154

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川路聖謨 [幕末]

 天津神に 背くもよかり 蕨つみ

  飢えにし人の 昔思へば 

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 父母が節約苦労し御家人身分を買い、聖謨は川路となった。
最下級からのスタートだったが抜群の秀才で勘定奉行にもなる。
又、神武天皇陵を推測し後に孝明天皇が確定。
内政においては極めて有能だったが、下田条約は外交敗北だったようだ。
その締結日の2月7日が北方領土の日となるが、ロシアを刺激しない日だからだった。

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「川路聖謨」 その人柄はロシアのプチャーチンも絶賛! 戦国ヒストリー



p143
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徳川家康 [江戸]

 嬉やと 再び覚めて 一眠り

  浮世の夢は 暁の空

 先にゆき 跡に残るも 同じ事

  つれて行ぬを 別とぞ思ふ

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 辞世を遺して正解でした。相続ビジネスでも使ってもらえました。
家康のネームバリューは大きいですね。

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オール相続



p100
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松井石根 [昭和]

 天地も 人もうらみず ひとすじに

  無畏を念じて 安らけく逝く


 いきにえに 尽くる命は 惜かれど
  
  国に捧げて 残りし身なれば


 世の人に のこさばやと思ふ 言の葉は

  自他平等に 誠の心

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 情報は複数から得なければならないことを再確認。
個人的にはかなり蒋介石や中国に入れ込んでいた人だったようだ。
秦郁彦氏は実証的には4万前後と推測され、著書で
「全軍規模で軍紀が崩壊したのだから・・・・最高指揮官松井大将の責任」
と指摘したという。
蒋介石は涙ながらに松井を(大虐殺という)冤罪で処刑されたと語っている。

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A級戦犯と呼ばれた英雄達

検証・戦争責任 読売新聞




p182
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春思 <賈至> [漢詩]

草色は 靑靑として 柳色は 黄なり
桃花 歴亂として 李花 香し
東風 爲に愁を 吹き去らず
春日 偏に能く 恨みを惹いて 長し

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 自然はたとえ絶景であろうとも、私の心の愁いまで吹き去ってくれるわけではない。
慢性的ブルー状態かもしれません。
そういう時期が私は長かったので分からなくはないのですが、
景色でも何でもその瞬間を楽しむ方が精神衛生上好ましいのでしょう。
とはいっても他人の言葉は入ってこないものです。

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抒情詩選






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沖縄戦 [昭和]

 矢弾尽き 天地染めて 散るとても

  魂環りつつ 皇国護らん


 秋待たで 枯れ行く島の 青草は
 
  皇国の春に 甦らなむ
                 牛島満


 大君の 御はたのもとに 死してこそ

  人と生まれし 甲斐ぞありけり
                 太田実


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牛島満陸軍中将の「皇国の春に甦らなむ」
大田實海軍少将の「沖縄県民斯ク戦ヘリ」

高校生の時に沖縄の地を歩いたが、ひめゆりの塔の記憶はあるものの
海軍が掘った地下壕は考えもしなかった。
後悔はしてませんが、悔やまれます。残念ですね。

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牛島満陸軍中将(在沖縄第32軍司令官)訣別の辞

旧海軍司令部壕



p172
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寄孫山人 <儲光羲> [漢詩]

新林二月、孤舟還る。
水は清江に満ち、花は山に満つ。
借問す、故園の隠君子、
時々来往して人間に住すかと。

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 唐詩選画本の絵が精巧でした。字も立派でありチャチさがなく本物感漂う。
隠君子たる孫さんにちょっと聞く。世俗の空気に触れているのかと。

儲光羲は唐の詩人で、唐詩選には4首採用されているようだ。

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唐詩選画本 寄孫山人 儲光義 蔵書 新古今和歌集の部屋






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栗林忠道 [昭和]

 国の為 重き努を 果たし得で

  矢弾尽き果て 散るぞ悲しき


 仇討たで 野辺には朽ちじ 吾は又

  七度生れて 矛を執らむぞ


 醜草の 島に蔓る 其の時の

  皇国の行手 一途に思ふ


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イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』『父親たちの星条旗』を観る。
海岸沿いで敵を迎え撃つ水際作戦の反対を押し切り地下壕を作り戦う。
約21000で約5倍の上陸部隊を迎え撃ち5日間での攻略予定を1月以上持ちこたえたという。
「国の為」や「皇国」を使う表現でも、この方が使うのは頭を下げるのみです。

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栗林忠道 最後の言葉~辞世の句

明徳寺にある陸軍中将 栗林忠道之墓



p170
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元二を送る <王維> [漢詩]

渭城の朝雨 軽塵を浥す
客舎青青 柳色新たなり
君に勧む更に尽くせ 一杯の酒
西のかた陽関を出ずれば 故人無からん


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 素晴らしいです。陽関や安西などの地を確認する。
2500㎞離れて長安から旅立つ友人を渭城で見送る習慣があったという。
朝に雨が降ったが手渡すことになる柳が鮮やかなようだ。
もう生きて会うことはないだろう当時の今生の別れのようだ。
収録されている詩吟を聞くことができず私も口にしてしまう。

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漢詩紹介 公益社団法人 関西吟詩文化協会






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