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辞闕 [西郷漢詩]

独不適時情 独り時情に適せず
豈聴歓笑声 豈歓笑の声を聴かむや
雲羞論戦略 羞を雪がむとして戦略を論ずれば
忘義唱和平 義を忘れて和平を唱ふ
秦桧多遺類 秦桧遺類多く
武公難再生 武公再生し難し
正邪今那定 正邪今那ぞ定めむ(定まらむ)
後世必知清 後世必ず清を知らむ


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 明治6年11月、下野後の心境を五言律詩にする。
南宋の宰相秦檜が抗金派を弾圧したことを重ねる。

どうも先日の「朝鮮国之命」と合わせて西郷の真意がどこにあったか疑問を抱く。
七言律詩を6字づつ緊張気味の字で書いていること、下野直後の字がのびのびしている。
西郷は不平士族の暴発を抑えるために彼らのエネルギーを代弁する立場に徹していたが、実は真意の通りだったのではないか、その場合は桐野や別府ら誰にも言わず、明かすとすれば従道だけなのやもしれません。現段階では、妄想を巡らしておくとします。

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西郷隆盛と新収蔵品展


西郷南洲 「朝鮮国之命」書巻物




p25





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