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武村卜居作 [西郷漢詩]


 卜居勿道倣三遷
 蘇子不希兒子賢
 市利朝名非我志
 千金抛去買林泉

 
 卜居を道(い)う勿れ 三遷に倣うと、
 蘇子は希わず 児子の賢。
 市利朝名は我が志に非ず、
 千金を抛ち去りて林泉を買いしなり。
 
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3句で明治6年下野あたりかなと思ったが違った。
明治2年6月に賜った償典録で後に私学校を建てるが、
この年に上之園から武に転居する。その際に詠む。

解説から多くを知る。
「卜居」土地の良し悪しを占って引っ越し先を決めたようだ。
「三遷」が孟子の母が子の教育のために転居を重ねた故事。
蘇武は自分が聡明であったために左遷されたため子の賢を願わなかったという。
「蘇東坡詩」を西郷は読んでいた。

司馬が言う西郷が桐野を好んだように薩摩人の学よりも気性を優先する本音でもあるのでしょう。
明治4年正月に上京し、6年10月末に下野、10年2月の出陣であり、
猟や湯で留守しがちだった晩年の住まいのようだ。

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西郷隆盛が育ち、最期も迎えた鹿児島城下 かごしまの旅




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