SSブログ
前の10件 | -

森川許六 [江戸]


 今までは 下手が死ぬぞと 思ひしに 上手も死ねば くそ上手なり
                         

-----

彦根藩重臣で多才な人だった。品の良い辞世ではないが、
「蕉門十哲」に数えられる位ですから上手なのでしょう。
見事な絵画でした。

-----


山梨県立大学 芭蕉DB

UAG美術家研究所



p104
nice!(0)  コメント(0) 

示子弟 [西郷漢詩]


私学校生教育の漢詩


學文無主等痴人
認得天心志氣振
百派紛紛亂如絲
千秋不動一聲仁


文を学びて主なければ痴人に等し
天心を認得して志気振う
百派紛紛 乱れて糸の如し
千秋動かず一声の仁


------------

1句の「主」を主体性、根本と様々に解釈できるようだ。
私は「あるじ」と取ったが、3句で「百派紛紛」と学問の世界の話をしているので、
「根本・要諦」やもしれません。
2句の「天心」から4句の「仁」だが、これは虎や豹のような武骨な生徒たち向けの「敬天愛人」理解への入り口なのでしょう。
いちいち聖書から語ろうとしないところが、良く言えば柔軟なのでしょうが、
面倒を避けているのでしょう。

------------


吟 詠 Poetry chanting 有田益堆(号、信風)




p34





nice!(0)  コメント(0) 

貝原益軒 [江戸]


 越し方は 一夜ばかりの 心地して 八十路あまりの 夢を見しかな
                          

-----

1歳で父が浪人となり5歳で母が亡くなるも、勉学に励み18で藩に復帰したという。
数多くの著作があり平易な和文で書かれ庶民にも読まれたという。

-----


福岡市




p102
nice!(0)  コメント(0) 

818 ひとり見つつや 山上憶良 [万葉集]


 
 春されば まづ咲くやどの 梅の花 ひとり見つつや 春日暮らさむ


-----

 はじめて原文を読んでみました。なかなか辛いですが、
「波」「佐」が3回でしたが、字が決まっているなら慣れの問題でしょう。

-----


818 万葉集ナビ





nice!(0)  コメント(0) 

荒木田守武 [戦国]



 来しかたも また行末も 神路山 峰の松風 峰の松風
     

-----

江戸の芭蕉に先んじて中世で有名だったという。
平安末期から短連歌長連歌が生まれ文芸となったようだ。
もはやプロサッカー選手の空中でのパス回しのような領域なのでしょう。
が、真面目で堅苦しかったことから、社会風刺を楽しむ人が現れたという。
その俳諧連歌の祖が荒木田守武だった。

-----


13 俳諧の始祖、荒木田守武 三重県環境生活部文化振興課歴史公文書班




p52



nice!(0)  コメント(0) 

山路来て 何やらゆかし すみれ草 [芭蕉]



やまじきて なにやらゆかし すみれぐさ



貞亨2年(1685) 42歳


-----------

特に技巧が無くても素朴な光景に心が和むのでしょう。
これはいいですね。

-----------



山梨県立大学 芭蕉DB








nice!(0)  コメント(0) 

佐介貞俊夫妻 [中世]



 皆人の 世に有る時は 数ならで 憂にはもれぬ 我身也けり

 たれ見よと かたみを人の とどめけん たえてあるべき いのちならぬに
                          

-----

 北条時政の来孫で鎌倉幕府滅亡となる。
大坂の金剛山に攻めていて捕まり処刑。その知らせを受け夫の愛用の刀で自害。

-----


Henkipedia




p236
nice!(0)  コメント(0) 

西郷17回忌にて 勝海舟 [西郷漢詩]

白髪塵顔到無意
壮心横剣不求勲
百千窮鬼吾甚畏
難脱人間狐狸群

白髪塵顔となるも意とすること無きに至る、
壮心あり剣を横たうるも勲を求めず。
百千の窮鬼を吾甚畏る。
脱し難し人間狐狸の群。


------------

勝は征韓論に反対し、西南戦争が起こると西郷に同情し、戦後は西郷の名誉回復に努めたようだ。
西南戦争の切欠となった私学校生徒による武器庫襲撃。
元々薩摩の物だったのでしょうが、薩長土で御親兵を作り廃藩置県となり一部政府に移管したのやもしれません。それを政府が運びだすのに生徒が激怒し襲撃する。
西郷はする気のなかった戦争となり、そろそろ死のうと御輿に徹したのでしょう。

そういう事情を酌んだ上で、西郷が3句で「畏れない」ないとしたのを勝は「畏る」とし、西郷を立てた表現とし、4句で、西郷は脱出したが、私はまだ世俗の狐や狸の群れいるとした。
悲しみ沈む段階を過ぎている17回忌でもあるので、5歳上の勝が70となるが49で死んだ西郷の境地に至らず長生きしていますとの自嘲ユーモアを披露。
遺族も(狐や狸のような)政治家も笑いを堪えたのやもしれません。

------------



2024 国指定 西南戦争遺跡




p32





nice!(0)  コメント(0) 

山名氏清妻 [中世]



 沈むとも 同じく越えん まてしばし くるしき海の 夢の浮橋
                          

-----

 明徳の乱で夫から届いた辞世に自らの歌を添えたという。
そして自刃するも、すぐに死ねず、その間に息子2人が戻ってきたが、
衣を被り、父に殉じるよう追い払った。
「孝ならざるは子にあらず」とも言ったという。

-----


コトバンク




p48



nice!(0)  コメント(0) 

816 梅花の宴 ありこせぬかも 小野老 [万葉集]

 
 梅の花 今咲けるごと 散り過ぎず 我が家の園に ありこせぬかも



-----

 旅人の家の梅を褒め、我が家にも欲しいと小野老が詠む。
解説では、藤原氏側の監視として小野老も大宰府にいたが、
仲良くなったのではないかと想像する。
なるほど、そういう楽しみ方もあるのかと感嘆する。

-----


万葉集入門 (解説:黒路よしひろ)




nice!(0)  コメント(0) 
前の10件 | -