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晩桃 <劉長卿> [漢詩]

  

四月深き澗底、桃花方(まさに)然(もえ)んと欲す。
寧(いづくんぞ)知らん地勢の下、遂に春風をして偏ならしむるを。
此意頗(すこぶる)惜しむに堪えたり、言ふこと無くして誰が為にか伝へん。
過時君未だ賞せず、空しく媚ぶ幽林の前。


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遅咲きの桃、谷底であり言葉を持たぬ花ゆえ、その姿を人に伝えるすべがない。
だから誰も愛でない。自分で誇るしかないのだ、と自分と重ねる。
権力者に逆らい左遷や投獄にもあったという。
見事ですね。季節、花、地の条件など例えて詩を作る力は尊敬です。

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趣味の漢詩と日本文学






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