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265 狭野の渡りの雨 長意吉麻呂 [万葉集]

苦しくも 降り来る雨か 三輪の崎 狭野の渡りに 家もあらなくに


駒とめて 袖打ち払ふ かげもなし 佐野のわたりの 雪の夕暮れ
                    (『新古今集』671 藤原定家)
           

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雨宿りする家がない、という意から最近では家という建造物ではなく、
家庭、この場合は妻と遠く離れていることの実感を表しているという。

定家が本歌取りし、「佐野のわたり」を使うが、雨を雪にしている。
上代は素朴に事実と感情の流れを書くが、中世で技巧が発展するようだ。

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大和の国のこころ、万葉のこころ


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